『大敵の湿気』
箱根の別荘地帯は標高800m前後の高地に点在しています。一度天候が悪くなると靄、霧につつまれます。そのような状態が箱根では年間約3分の1近くを占めています。このような悪条件では建物に与える影響も計り知れません。例えますと一般住宅で築5年の状態が、箱根では築7.8年経過したような状態(使用頻度にもよります。)になります。別荘としての利用は限られた日数の滞在ですから、換気をしたとしても一時的なもので終わってしまいます。現時点での対策として留守の間は除湿機をタイマーで作動させる方法が有効ではないでしょうか。但し、1、2年全く使用していないような状態ですと、室内にカビ等が繁殖して見るも無残な光景が広がる可能性があります。
『室内のカビ』
前途でも述べましたとおり箱根は湿気が多いところです。リフォームの相談などで見積に伺った別荘のほとんどに壁の四隅・床の四隅・トイレなどにカビがびっしりと付いていました。早い段階でしたら、その部分の取替えやクリーニングで対処ができるのですが、手遅れに近い状態ですと、床の土台部分が腐ってしまい抜け落ちてしまいます。こうなってしまいますと大規模な修繕が必要になってしまいます。もしこのようになってしまいましたら早い対処をお勧めします。
『箱根の全域が自然公園内』
伊豆・箱根は自然公園に指定されているため、建築に対する法律が通常の「都市計画法」・「建築基準法」の他に、「自然公園法」と言う特別な法律が加わります。この自然公園法は環境庁管轄に所属し、この区域内で建築、大規模なリフォームを行う場合には自然公園事務所の指導を受けます。新たに建築をされる場合には、建物の大きさ、階数、建物の色、樹木の伐採、駐車場の大きさ等の細かい指導を受けますので注意が必要です。リフォームについても自然公園法のガイドラインに沿って行う必要があります。
『敷地内の樹木』
自然公園区域で新たに建築を行う場合、敷地内の樹木を勝手に処分することを禁じられています。自然公園区域では、樹木の伐採などの行為を行う場合に伐採した樹木のかわりに新たに植樹をする必要があります。
『箱根の冬』
関東でありながら高いところでは標高1000m前後の場所でもある箱根、冬になると路面の凍結はもちろん積雪もあります。水道管等は通常の2倍以上の深さに埋設し、凍結防止の措置をとらなければなりません。建物本体についても冬に備えての工夫をする必要があります。建物基礎にしても凍結により破損する可能性があるので十分注意が必要です。
『雨漏りに注意』
敷地内の樹木は年々育っていきます。いつの間にか建物の屋根を越えて、毎年葉落していくでしょう。落葉は屋根の予想もしなかったところへと堆積し雨漏りの原因となっていきます。箱根での雨漏りのもっとも多い原因はこの落葉による雨漏りだとも言われています。この雨漏りはカビや腐敗へと進んでしまいますので注意が必要です。
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